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WORKS 152

陰翳礼讃

スリットから差し込む光が寝室を照らし、朝を知らせる。ウォークインクローゼットでは、斜めに差し込む明かりが照明の代わりに。時間帯によって部屋の表情が変わりゆく。そんな移ろいを繊細に感じることができる住まいができました。 リノベーションを進める上でキーワードとなるのは「成り行き」という言葉。設計でコントロールする所はしっかりしつつ、解体して現れた壁や梁に残る下地はそのままの状態に、幅木を撤去した跡も新しく作っては出せない風合いとしてあえてそのまま仕上がりとしました。ダイニングの壁にある長押(なげし)も以前から同じ場所にあったもの。こうしてリノベ前の家の名残も工事の進行とともに新たな空間に馴染んでいきました。 玄関ドア前に移設した格子扉は、物件を気に入ったきっかけになったもの。 懐かしさを感じるトイレの扉は、カラーや珍しいドアノブもそのままに既存のものを残しました。 土間に作ったワークスペースではあえて段差は以前のままに、ゆるやかに空間をゾーニングしています。 家のポテンシャルを活かす家づくりは中古リノベの醍醐味。 「もしかしたら今後、天井を塗装するかもしれない」と話すO様。成り行きにゆだねながら住まいは変化の途中です。

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DESIGN PLAN

プラン概要

物が少なく、すっきりとした印象が強いO様の住まい。数多くの引っ越しを経て、だんだんと身軽な暮らしに変化していきました。 住まいの収納方法においても、その軽やかな特徴が現れています。 リビングにあるソファ代わりの小上がりは収納を兼ねたもの。クッションの中にも実は布が収納してあるなどまるで遊牧民のようなフレキシブルな使い方をされています。 キッチンのカウンターでさえも実は可動式のデザインに。収納も家具ごと身軽に移動が可能です。 リノベと同じようにすでにあるものを活かすため、フローリングにはお手持ちの家具と相性の良いチーク材を使用。コンクリートのようにラフな素材と組み合わせても、空間は落ち着いた印象に仕上がります。 O様の住まいでは、置く物を厳選しているからこそ、家にあるものが存在感を放ちます。 各所を照らすペンダントライトや部屋を彩るラグやクッション、愛用する電鍋など、愛着を感じるものばかり。住まいや物を丁寧に扱うO様のお人柄が現れています。

before
after
工期
3ヶ月半
改装費用
約1100万円
施工面積
58㎡
家族構成
夫婦
築年数
44年
所在地
京都府京都市
WORKS 152
この事例に登録されているタグ
LIVING・DINING WORK SPACE KITCHEN BED ROOM STORAGE

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