無垢フローリング・珪藻土など「自然素材」を取り入れるリノベの注意点
リノベーションで床や壁をどんな素材で仕上げようかと考える時に「自然素材」が気になる方は多いのではないでしょうか?
足触りの良い無垢フローリングや室内の湿度を調整する珪藻土を使った壁といった、自然素材ならではの肌触りや風合い、体に優しい素材は魅力的ですよね。
自然素材の良さはその素材自体が呼吸していること、それ故に「自然素材は変化しやすい」という特徴もあります。
そこで今回は、自然素材を取り入れる際に知っておいてほしい注意点をご紹介します。
住み始めてから起こる自然素材の変化に驚かないためにも、その特徴を知った上でリノベに取り入れてくださいね。
自然素材を取り入れるリノベの注意点
■冬には隙間ができる無垢フローリング
フローリングを選ぶ時「無垢フローリング」が気になる方は多いのではないでしょうか。
無垢フローリングの床は調湿作用により、夏はサラッと冬は温かみを感じる肌触りが心地良いです。
自然素材なので、フローリング一枚一枚の木目が異なり、見た目にも楽しませてくれる素材ですよ。
□無垢フローリングの季節ごとの変化
無垢フローリングは季節ごとに伸び縮みを繰り返す素材です。
夏場にかけて板が膨らみ、特に梅雨時期や湿気が多い気候では、フローリングが空気中の水分を吸収し板が膨張します。
この膨張を考慮しないで無垢フローリングを張ると、膨張した板同士が反発し床が反ってきてしまうことも。床の反りを軽減するために、無垢フローリングを張る際はあえて隙間を作ることが大切です。
この隙間にゴミが入りやすいのですが、必要な隙間ということを理解してくださいね。
そして、冬場の乾燥した環境下では、フローリングの水分量が減っていき板が収縮します。フローリング同士の隙間が大きくなるのがこの時期です。
暮らし始めてから冬を迎え、フローリングの隙間に心配になるかもしれませんが、それはフローリングが呼吸をしている証拠ですのでこの特徴を覚えていてくださいね。
□隙間が気になる場合は「複合フローリング」という選択
100%天然素材の無垢フローリングでは伸縮の特徴があり、取り扱いが心配という方におすすめするのが「複合フローリング」。
複合フローリングは表面に無垢材の単板を使用し、板の中心部分には合板を使用した、無垢フローリング材の代替品として使われているフローリングです。
基材に合板を使用している為、伸縮を抑えやすく隙間が出来にくい特徴があります。床暖房を使用される方は特にこのフローリングの検討をおすすめします。
無垢フローリングと比べると調湿効果は落ちてしまいますが、足触りは優しい床材なので、特徴を比較してご自身の暮らし方に合う素材を選んでくださいね。
■粉が落ちやすい、珪藻土や漆喰の壁
無垢フローリングと同じく、自然素材として注目されているのが「珪藻土」「漆喰」といった素材です。
壁の仕上げ材として広く使用されています。
上記事例写真では、植物が配置された間仕切り壁に珪藻土を使用しています。よく見るとコテ仕上げの跡が見えますね。
珪藻土とは、藻類に分類される植物プランクトンが海底や川底に堆積して化石化した土のことです。また、漆喰は消石灰(水酸化カルシウム)に糊、スサなどを加えた素材です。
どちらの素材も吸水性・消臭性・調湿性といった室内環境を快適にする性質をもっています。
結露に悩んでいる方、室内でペットを飼っている方などにはおすすめです。
□粉がポロポロと落ちやすい
珪藻土や漆喰で仕上げた壁は、触ったりこすれたりするとポロポロと粉が落ちてしまうことがあります。
粉が落ちることで床が汚れてしまい、お掃除に手間がかかるという声もあります。
また、後から壁に棚をつけたり、写真を飾るための金具をつけようとすると表面にヒビが入ることもあるので、避けたほうが良いでしょう。
気になる場合は出入りの多い部分での使用を避ける、天井の仕上材として使用するなど、使用場所の検討をすると良いですね。
■だんだんと風化してゆく天然石タイル(大谷石)
鮮やかなカラーや個性ある形といった種類が多いタイルですが、その素材は陶器質・磁器質の他にも天然石タイルがありますよ。
天然石タイルには、一枚一枚個性のある柄、迫力のある力強い質感や空間に重厚感を加える特徴があります。
和テイストな空間だけでなく、ホテルライクからナチュラルなテイストまで天然石タイルは使えますよ。
天然石タイルは御影石、大理石などある中で今回は「大谷石」の特徴をご紹介します。上記事例写真では、大谷石をテレビ背面の壁に使用しています。
□色が変わり、穴ができる変化も含めて大谷石
大谷石は温かみのある風合いと重厚感を兼ね揃えた素材で、東京旧帝国ホテルといった建築にも使われた伝統ある石材です。
事例写真などで大谷石の色合いなどを見たことがあるかもしれませんが、時間が経つにつれその見た目は変化していきます。
青みを帯びた色は乾燥などにより、だんだんと茶色っぽい白色に変色します。また、表面に点在する茶色の斑点は「ミソ」と呼ばれ、このミソもだんだんと削れ穴ができます。
このような風化による変化が大谷石の特徴ですので、使用する際は変化する前の状態だけでなく変化後の状態も知った上で検討してくださいね。
自然素材の特徴はいかがでしたか?手入れに手間がかかりそうという印象を感じましたか?
こういった理由からメンテナンス性を高める為にもシート素材を使った内装材や建材が広まっていますが、温かみや心地良さは自然素材にはまだまだ敵わない印象を受けます。
また、上記のような特徴を知った上で自然素材を取り入れると、その特徴を個性として受け入れ、上手く付き合いやすいというお声もあります。
長い目で見れば、塗り直したり、磨くことで長く使用できる自然素材。その個性ある特徴を理解した上で暮らしに取り入れてくださいね。
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